天幕ほしぞら

テントに泊まる登山とロングトレイルの旅

すぐそこのロングトレイル『生駒縦走歩道』を2日間で歩いた

生駒縦走歩道の看板

裏山を歩く縦走路

先週の『ダイヤモンドトレール』に続き、大阪のロングトレイル『生駒縦走歩道』を歩いてきた。

 

 

生駒縦走歩道は大阪にあるロングトレイル。枚方市の国見山から八尾市の高安山までの約45kmをつなぐハイキングコースだ。途中、7つの大阪府民の森を通ることもあり、ルート設定がしやすい。今回は、JR津田駅から近鉄信貴山口駅までの区間を歩いた。

 

 

スタートは枚方市のJR津田駅。

今回は48Lのオスプレーを背負った。大きなバックパックを背負って住宅街を歩いていると、ミスマッチで恥ずかしい。そして、「本当にこの先に山があるのだろうか」と心配になった。

でも、スマホの地図アプリがあれば問題ないだろう。10分ほど歩くと、高速道路の向こうにこんもりとした裏山が見える。そこが生駒縦走歩道の登山口だ。

 

裏山の散策道のような道に入ると、街の音が少し小さくなった。幹線道路を走る車の音が和らぎ、鳥のさえずる声が聞こえるようになる。すぐに、トレイルランの人とすれ違い、「山に入ったな」とホッとする。

 

飽きないトレイル

生駒縦走歩道からの眺望


コースでは、様々な状況に出くわすので面白い。

普通の登山道だけでなく、舗装路あり、砂利道あり……。ゴルフコースや公園、畑や霊園、高速道路を抜けていく。

一般的な登山とは異なる山歩きだが、変化に富んでいるから飽きない。途中には休憩できるベンチやしっかりしたトイレがあるのも嬉しい。

 

一日の歩く距離が長くなればなるほど気になるのは「道迷い」だ。迷えば、時間をロスする。到着時間が遅くなり、夜に歩くことになりかねない。

今回は住宅街のように進むべき道がわかりづらそうなところが多かった。そこで、迷いそうなところはあらかじめ拡大した地図を用意した。

しかし、そうした心配は杞憂だった。もちろん地図は必要だが、トレイルの後半まで案内板は多くあったので迷うことはないだろう。

 

生駒縦走歩道


田舎の低山はどこにいっても植林の杉の山が多い。すると、代わり映えのない風景が続き、展望もない。

一方、生駒縦走歩道は住宅街に隣接する裏山的なハイキングコースなので「雑木」が多い。多種多様な植物が生えているから、風景の変化を楽しめる。また、落葉樹の向こうから日が差し込むので、明るくて気持ちがいい。

 

ハプニング

生駒縦走歩道のトレイル


疲労を感じつつある昼過ぎに、通過点の『むろいけ園地』に到着。

しかし、そこでハプニング発生。

公園を抜け、案内板に書いてあった地図を見ると、これから歩く道にバツ印がしてある。

え?どういうこと?

「嘘だろ……」とつぶやきつつ歩いていくと、まもなく「通行止め」の看板が。

なんてことだ。今日の宿泊予定地である『生駒山麓公園』のキャンプ場へ至る道が通行止めになっている……

引き返して、案内板で迂回路を探すも、道を見つけることはできなかった。

せっかくここまで歩いてきたが、今日はここまでということらしい。

仕方なく、案内板で街へ下りられる道を探す。一番近い駅は四条畷駅のようだった。駅に至る散策路があるのが幸いだった。

 

散策路

 

生駒縦走歩道にカムバック

先週、半分まで歩いた先を踏破すべく、トレイルにカムバックした。

再スタート地点は、先日の宿泊予定地だった『生駒山麓公園』。

ここまでは最寄り駅から路線バスで上がってきた。

 

生駒山上遊園地の桜


今日も面白いコースだった。

生駒山頂には遊園地があって、そのど真ん中を歩くようにルートが設定されている。

休日の遊園地は家族連れやカップルで賑わっていた。こんな山のてっぺんに遊園地があることと、意外と賑わっているのが不思議で、キョロキョロしながら歩く。でも、なぜか人と目線は合わない。

それはそうか。せっかく夢のような非現実空間を楽しんでいるのに、重いバックパックにヒーヒー言いながら歩くおっさんは見たくないだろう。それがなんだか面白くて、じっくりと見学しながら抜けていく。

 

遊園地を通り抜け、その先のパノラマ台で食事にする。

そこには絶景が広がっていた。

 

生駒山から奈良盆地を見渡す

 

今回一番驚いたことは、裏山的な地理なのに眺望が抜群に良いこと。小高い開けた場所がところどころにあり、パノラマの風景が見られる。見渡す限りの大阪平野を眺め、振り返ると奈良盆地が広がっている景観はスゴいとしか言いようがない。

 

良い道が身近にあるというのは幸せなことだ。実際に、軽装で歩く人が多かったのは、人気があるせいかもしれない。

 

生駒山のつばき


ところで今回は4月13日と20日に歩いたが、日中はTシャツで充分だった。肌がヒリヒリするぐらい焼けたので日焼け対策はしたい。行き帰りの電車内では、Tシャツの上にジャージを羽織った。

あとは、4月も中旬になり虫が出てきたので、苦手な人は対策すればよいと思う。

(2019年4月13日/20日)