天幕ほしぞら

テントに泊まる登山とロングトレイルの旅

DURSTON X-Mid 1 Solid 軽量ULテントのファーストレビュー【動画あり】

Durston X-Mid 1 Solid


登山で使用する新しいソロテントを購入しました。

海外のULハイカーに支持されているULブランドDurston Gear ダーストンが出している『X-Mid 1 Solid』です。

 

『X-Mid 1 Solid』は、2本のトレッキングポールを使用するツインポールのシェルターです。

ポールが出入口を邪魔しない場所に設置できることから快適性が上がっています。

 

オリジナルのX-Mid 1は、リップストップポリエステルのフライにメッシュのインナーテントの仕様ですが、Solidは15Dの素材を使用したインナーテントを装備したダブルウォール仕様です。

雨や結露を防ぐのに効果的で、より日本に合ったテントではないかと思います。

 

購入した理由

しばらく夏山のテント場で使える超軽いトレッキングポールテントを探していました。

このULテントに求める条件は3つ(+α)。

 

「風に強く、ダブルウォールで、1kg以内」

そして+αは、色と価格。

 

特に重視したのは対風性です。

僕のなかではトレッキングポールテントは風に弱そうなイメージがありますが、そのなかでもポールを一本だけ使用するピラミッド型のワンポールテントは対風性が高いと聞いていました(違ったらすみません)。

そこで、僕の頭の中で永らく候補にあったのはローカスギアのクフとハピでした。

しかし、ローカスギアのテントは、インナーテントがメッシュなのです。僕は寒がりなので、高山でメッシュというのは寒くて耐えられません。また、納期に時間がかかる(この時点で7か月間)こともネック。本当は使ってみたいけど注文には至っていません。

 

一方で、トレッキングポールテントには2本のポールを使用するツーポールテントがあります。

例えば、ZpacksのDuplex TentやMountain Hyperlite GearのUNBOUND 2Pなどは、海外のULハイカーから非常に高い評価を得ています。

僕もこのカッコいいテントに憧れているのですが、これにもいくつか残念な点がありました。

ひとつは、シングルウォールであること。湿度が高い日本においては結露しそうです。通気性が高いため結露は少ないようですが、逆に言えば「寒い」と考えられます。

そして、これは主観でしかありませんが、その長方形の姿を想像する限り、長辺が風にさらされた場合にワンポールテントよりもひ弱そうに見えます。

 

今回購入したDurstonも同じツーポールテントなので、構造上、長い辺を持ちます。しかし、Dustonのサイトを読んだり、海外の情報を見ていると風には強いとのこと。

また、ソリッド版は一部メッシュであるもののダブルウォール。結露に強く暖かい。そして、ポールを持たないため1kgを切ります。

そこではじめの3つの条件、風に強く、ダブルウォールで、1kg以内の条件をクリアしました。

価格も範囲内。色があまり好きじゃないけど購入を決めました。

 

Durstonのロゴ

 

3種類のX-Midテント

Durston X-Midのテントは、素材によって3種類に分けられます。

 

X-Mid … インナーがメッシュ

X-Mid Solid …インナーが15D

X-Mid Pro … インナーがメッシュ、フライがDCF

 

 

また、一人用と2人用があるので、計6パターンの中から選択できます。

 

Durston X-Mid 1 Solidのサイズ

【フライ】254×170×h117cm

【インナーテント】230×81×h109cm

【重量】825 g(フライ+インナー)  総重量:905g

【収納サイズ】30×13cm

 

X-Midテントの構造

X-Midは近くから見るとピラミッドが二つ並んだような形をしています。

しかし、上空から見るとシンプルな長方形のテントです。トレッキングポールを内部に仕込んで、わずか4本のペグで自立します。

 

しかし、変わっているのは、インナーテントの就寝エリアが長方形の対角線上にレイアウトされていることです。

こうすることで、いくつかのメリットが生まれました。

一つは、両サイドに広い前室が確保されたこと。また、ツーポールシェルターの欠点はトレッキングポールが出入口をふさぐことでしたが、このレイアウトによってドアを邪魔することがなくなりました。

 

X-Mid 1 Solidの特徴

durston X-Mid 1 Solidの設営

設営が簡単

フライシートは長方形のため、使用するペグは4本のみです。

フライシートを広げたら、ポールを所定の位置にセットし、四隅をペグダウンすることで自立します。

その後のインナーテントはフックに掛けるだけ(これも吊り下げ式というのかな?)

フライはすでに自立しているため、雨が降っていてもインナーテントが濡れることはありません。

 

安心のダブルウォール

Solidの特徴は、メッシュインナーの大部分を15Dの素材に変更していることです。

この生地によって、雨や砂などの侵入をブロックするとともに結露を防ぎます。

トレッキングポールテントはシングルウォールかメッシュ付のものが多いので、私が使用する環境では使いづらいと感じていました。このダブルウォール仕様であるという点でかなり惹かれました。

 

ダブルウォール

 

とにかく快適

ワンポールテントの欠点の一つは頭上の空間が狭いことです。また、ポールがテントの中心にあるため邪魔です。

一方、ツインポール構造のテントは頭に余裕ができる半面、ポールがドアの中央に立つため出入りがしにくいという欠点がありました。

 

しかし、X-Midはその構造上の欠点を克服しています。

私が気に入っているのは、ドアがトレッキングポールに干渉されず広いこと。

そして、頭上に充分な空間があること。今使用しているソロテント、ビッグアグネスの『フライクリークUL1』は天井が低いのがデメリットでした。

そして、大きな特徴は広い前室を確保していることです。インナーテントの幅が81cmと狭いことを懸念していましたが、前室が広いため窮屈に感じません。簡単な煮炊きなら充分にこなせるスペースがあります。

 

一方で、広い前室を備えている分だけ、テントの使用面積が大きい点が気になります。山のテント場ではスペースが限られていることが多いので、この点には注意が必要だと思いました。

 

広い前室

 

フライシートの特徴

フライシートは耐水圧2500mm、20Dのリップストップポリエステルです。

ナイロンではなく、ポリエステル生地を使用する理由はいくつかあるそうです。

一つは、雨が降ってもたれることがないこと。また、ポリエステル生地は水を吸収しないので乾きが早く、軽いのが特徴です。また、紫外線においてもポリエステルのほうが耐久性があるそうです。

 

その他の特徴

フライシートのドアの留め具にマグネットを使用しています。これは知らずに使用してちょっと驚きました。便利です(笑)

比較的安価なテントですが、工場出荷時にシームテープ加工されています。これはどこのテントでもお願いしたい仕様です。

フライのファスナーにはグレードの高い止水ファスナーYKK AquaGuardが使用されています。また、ファスナーの袂には強風時の耐久性を高めるためにバックルがついています。このバックルは、ファスナーを閉めずに、チョイ止めしたいときに便利そうです。

 

マグネットで留まるドア

 

Durston X-Mid 1 Solidのまとめ

X-Mid Solidは3シーズンの山岳テントとして使用したいと思っています。ちなみに、このテントは積雪のある冬の使用も想定されていますが、厳冬期に使えるような山岳用4シーズンテントではありません。

 

メッシュのM-Midにも惹かれましたが、自分的にはメッシュは夏の低地でのキャンプなどでしか使えないかなと思っています。メリットは、やや軽く、低価格であること。

 

X-Midは、MSRやマウンテンハードウェアなどのブランドと同じハイエンド工場で製造されているため品質は確かです。

そういった点も考慮して、今回はX-Mid 1を試してみることにしました。

 

動画について

動画では細かい点がよく分かるかと思います。

お時間のあるときにどうぞご覧ください。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。