天幕ほしぞら

テントに泊まる登山とロングトレイルの旅

Hyperlite Mountain Gear『PORTER 70』と『JUNCTION 55』を比較しました【レビュー】

Hyperlite Mountain Gear Porter 70

 

Hyperlite Mountain Gearの『PORTER 70』を背負って、約1か月間のハイキング旅行に行ってきました。

今回はこの『PORTER 70』と、以前紹介した『JUNCTION 55』を比較しながら、そのスペックと使い心地を紹介したいと思います。

 

Hyperlite Mountain Gear『PORTER 70』を購入した理由

Hyperlite Mountain Gear(以下HMG)の『PORTER 70(旧4400 PORTER)』という大型のバックパックを購入しました。

 

Hyperlite Mountain Gear - Ultralight Backpacking Gear

 

実は、僕は同じHMGの『JUNCTION 55(旧3400 JUNCTION)』を持っています。これは55Lの容量で、2~3泊のテント泊縦走にちょうどいいサイズです。

このパックはメインコンパートメントの55Lに加えて、前面とサイドに9.8Lのポケットが付くので、実質は60L以上の容量があります。60L前後のバックパックは、GWやお盆など、一週間くらいのテント泊の旅に使い勝手の良いサイズなので重宝します。

 

■『JUNCTION 55 (旧3400 JUNCTION)』のファーストレビュー

 

ではなぜ、大型のバックパックを買い足したのかというと、海外旅行をすることになったからです。

期間は約1か月間で、基本はハイキングをするのですが、それ以外の荷物も入るような大型のバックパックが必要になりました。

 

『PORTER 70』と『JUNCTION 55』のスペックの違い

『PORTER 70』を買って失敗した!?

はるばる海を渡ってやってきた『PORTER 70』を段ボールから取り出して手に取ったときは冷や汗が出ました。

というのも、以前購入した『JUNCTION 55』と見た目も持った感じも変わらなかったからです……

 

Hyperlite Mountain Gear Porter 70とJunction 55の比較

ほぼ同じパック

 

でも詳細を見ていくと、少しずつ違いが分かってきました。

 

Hyperlite Mountain Gearのバックパック比較表

 

長期ハイキングに対応する収容能力

実際に荷物を詰めてみて、すぐに気づいたのは幅が広いため物が入れやすいということ。

並べて置くと、高さには約4cm、横幅に約5cmの違いがあります。底部のマチも広くなり、数値的には一回り大きいことがわかります。

そのため、テントやシュラフなどの大き目の荷物が入れやすくなりました。比較すると、『JUNCTION 55』の場合は割とタイトなのです。だから荷物を入れるときはキュウキュウな感じ。『PORTER 70』は幅広だから、大物もドンと来いと受け止めてくれます。

 

どんどん荷物を詰めると3~4日分の荷物はあっさりと収納できました。

さらに「アレも持っていきたいけど、入らないからあきらめよう」と思っていたものがいくつか入る余裕があります。

 

今回の旅では、ハイキングでは使わない道具を詰めつつ、11日間分の食料(水は持たない)が入りました。パンパンなんですけど、数日経って食料が減ると余裕が出る感じです。

メインコンパートメントの底部に入れるのは、テントに入ってから使うもの。例えば、寝袋やダウン、着替え、調理道具など。中間から上にかけては、レインウェアや食料などを詰めました。

 

55Lと70Lのどちらの容量がいいのか?の問題

実際に背負ってみると、横幅があることを背中で感じます。

また、荷物を入れない状態だと気づきませんでしたが、旅行を終えたあとに動画を見返してみると、55Lと70Lでは見た目も結構違いました。僕の体には55Lがちょうど良くて、70Lだと「ずいぶん大きな荷物を背負ってるなー」という印象。

しかし、見た目に違いはあるものの、バックパックの高さは変わらないため背負心地は55Lとそれほど変わらない気がしました。

 

大型のバックパックを使う時といえば、ゴールデンウィークやお盆の休み。

55Lと70Lのどちらが適当でしょうか?

「大は小を兼ねる」の考え方でいくと70Lひとつで間に合わせたいところですが……

 

僕の場合は、基本は55Lかなと思います。

55L(+ポケット9.8L)というサイズは、荷物のかさ張る秋の3連休の旅にちょうどいいし、夏山の長期遠征にも対応できます。

70Lをしばらく使用した後に55Lを背負ってみたら、やっぱりコンパクトで適度な大きさだと感じました。

ただ今後も荷物を余計に持つ旅をしたいと思っているので、70Lも持ち続けたいと思っています。

 

Hyperlite Mountain Gear Porter 70の大きさ

体の大きさに合ってない

 

PORTERはシンプルで汎用性が高い

Hyperlite Mountain Gearのバックパックにはいくつかのタイプがあります。

山でよく見かけるのは、外ポケットがあるタイプのWINDRIDERやSOUTHWESTです。

これらは背面とサイドに3つのポケットが装備されています。

見た目は洗練されていておしゃれなイメージがあります。

 

一方のPORTERは、パッと見はただの寸胴の袋(笑)

でも、よくよく細部を見ていくとシンプルで汎用性の高いモデルなのです。

 

PORTERは外ポケットがない代わりに、パックの前面に1対のデイジーチェーンが付いています。

そして、サイドのストラップはJUNCTIONと比較すると、かなり太目になっています。幅広かつ厚手で、バックル付きです。

PORTERの利点は、このデイジーチェーンや頑丈なストラップを利用して、様々なモノを固定できることです。スキーやパドル、鍋とかショベルなんかも取り付けたいという用途に適しています。

サイドにポケットがないことで不便を感じることはありますが、大きなものを固定したい場合はポケットはないほうが邪魔になりません。

このように様々なモノを釣り下げていけるのがPORTERの特徴の一つです。

 

ちなみに、僕はデイジーチェーンに専用のポケットを取り付けました。

■PORTER STUFF POCKET 11.1L 25cm x 38cm 119.8g

このポケットには頻繁に出し入れするものや濡れたテントなどを入れ、サイドにはマットやサンダルを取り付けました。

 

Porter Stuff Pocket

別売りのポケット

別売りのポケットを付けた図(わかりにくいけど)

 

逆に、パックの外側にモノを付けたくない人にもシンプルなパックは最適です。

バイクやパックラフトの旅では、外ポケットが邪魔になることがあります。ポケットがボコボコと出っ張っていると、荷物を括りつけるのが大変だからです。しかも、Porterは防水性が高いパック。このようなアドベンチャーにはシンプルなパックが役に立ちそうです。

HPには、バックカントリーウィンタースポーツ、バイクパッキング、パックラフト、冒険&旅行などマルチアドベンチャーに最適とあります。

まさに、PORTER(荷物運搬人)の名前通り、シンプルで汎用性の高いモデルです。

 

Hyperlite Mountain Gear Porter 70

何でもおまかせあれ

 

外ポケットがあるタイプかPorterか?の問題

では、外ポケットがあるモデルとないモデルのどちらを選ぶべきでしょうか?

外ポケットがあるタイプでは、70Lでいうと、上記の3つに加えてNORTHRIMとICE PACKがあります。

結構迷いどころです。

 

僕はハイキングメインなので、ポケットが付いているほうが使いやすいです。

その理由はサイドポケット。

僕はサイドポケットにドリンクやテントポール、三脚などを収納します。

しかし、Porterにはポケットがないので新たにポケットなどを追加することになります。

今回の旅ではボトル用のホルダーも追加しました。

しかし、ここで問題になるのは、他社のドリンクホルダーの場合は完全に固定するのが難しいということ。

ドリンクホルダーを固定せずに使うと、歩けばブラブラするし、ペットボトルを収納するときにスムーズに入らないためかなりイライラします。今回はうまく固定できたのであまり不満はありませんが、固定されたサイドポケットはあったほうが良いと感じました。

 

また、シュラフマットをHMGのパックのサイドに取りつける場合はポケットが潰れてくれるので、ポケットがあっても邪魔になることはありません。

細かいことですが、PORTERに別売りのホルダー類を付けていくと、重量が増していくことも無視できません。

 

またPORTERの前面のポケットの取りつけが大変だったのもあります。

これをつけたり外したりするのは手間。それなら初めから付いているほうが使いやすいと感じました。

 

PORTER 70とJUNCTION 55

 

素材と防水性

『PORTER 70』の素材には、軽量で耐水性、耐久性に優れたDCH150を使用しています。

HMGではホワイトのパックにDCH50、ブラックのパックにはより強度に優れたDCH150を採用することが多いですが、容量の大きい70LではホワイトもブラックもDCH150を採用しています(NORTHRIM 55、PRISM 40、HEADWALL 55などもDCH150を使用)

 

DCH150は防水性の高い生地ですが、パックのなかにインナーパックを追加した方が防水性が高まります。

僕は、今回は訳あってレインカバーを使用しました。

雨に降られることが多かったのですが、浸水はありませんでした。

 

レインカバーをつけたら普通になる

 

2つのデメリット

やはり肩が痛くなる

今回のバックパックの重量は15~18キロでした。

それほど重いわけではありませんが、それでも歩き出して1時間で肩が痛くなりました。

背面長は合ってるはずなので、背負い方が悪いのかなと思って、ショルダーやヒップベルトを調整してみたけどダメ。

正直、次回はGregoryに戻ろうかと何度も考えています。

 

寸胴のカタチは使いづらい

パックには高さがあるため、僕の身長だと底に手が届きません。

また、底のほうにある荷物は上にある荷物を出してからでないと取り出せません。

これらの欠点には使っているうちに慣れました。

 

しかし、慣れたからといって、パックの下部やサイドにジッパーが装備されている通常のバックパックと比較すると荷物の出し入れに関しては使いづらさを感じます。

 

Hyperlite Mountain Gearのバックパックはどこで購入できるのか?

HMGでロングトレイルを歩く

 

Hyperlite Mountain Gearは日本では代理店がないので、入手方法が限られます。

国内のいくつかのアウトドアショップでも扱いがありますが、量が少なくすぐに売り切れてしまうため現実的ではありません。

なので、僕は直接HMGから個人輸入しました。

個人輸入の方法については以下の記事にまとめました。

(次回投稿します)

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

 

動画について

Hyperlite Mountain Gearの『PORTER 70』を背負って1か月間の旅に行きました。

動画ではバックパックの雰囲気がわかりやすいです。