キャンピングカー『アミティ』をレンタルした
レンタカーでまたキャンピングカーを借りた
前回の軽キャンパー『インディ727』が楽しかったので、今度は大きいやつを借りてみた。
AtoZの『アミティ』。キャブコンと呼ばれるタイプのキャンピングカーだ。
やはり、インディ727と比較すると、アミティはサイズが大きくなるだけレンタル料金は高かった。一年前のことなので忘れてしまったが、値段は倍はしたように思う。検索すればすぐに値段は出てくるし、全国各地にレンタカー会社はあるので興味がある方は調べてみるとよいと思う。
それにしても、キャブコンタイプのキャンピングカーは良かった。
「もし……」なんて考えてもどうしようもないんだけど、お金があったら絶対に買うだろうな。人生が変わってしまいそう。そんな体験になった。
サイズは大きい
荷物の出し入れは、軽キャンパーよりやりやすかった。側面の開口部は狭いけど、テーブルや折り畳み椅子なども楽に収納できる。室内は広く、多少乱雑にモノを置いても余裕がある。車だということを忘れるぐらいだ。
アミティはボンゴトラック(1トン)がベース。外観は私の軽のワンボックスと比較すると、えらいデカく感じる。
運転席はまんまトラックで、横幅も“遠い”。すごくイヤなのは、後ろの部分が車体よりさらに横に出っ張っていること。どこかに引っ掛けて、ガシャーンとやっちゃいそうな気がする。後ろの長さもどこまであるのか感覚がわからない。乗り込んですぐに、「これは無理かも」と顔が引きつった。
怖かった運転
とりあえず出発。駐車場から道路に出るところから「こえ~」とつぶやきながらハンドルを回す。
なんとか出発したものの、最初の交差点でいきなり冷や汗をかいた。広い道路に出てスピードが出たところで、最初の交差点がやってきたが、ブレーキが利かなくて前の車に衝突しそうになったのだ。フルブレーキしているのに、徐々にしか減速しなかった。だいぶ早めにブレーキを踏んでいたので事なきを得たが、車体が重いとこんなことになるのかと学んだ。
それからは、できるだけ車間距離を開けることにする。そして、なるべく車線変更せずに、はみでないようにするのを心掛けた。まっすぐ動かないようにしますから、みなさん避けて行ってくださいという気持ちで運転する。
高速に入ると、肩の力が抜けて余裕が出てきた。風が強くても横に振られないのは、やはり車体が重いからだろう。私の軽ワンボックスのほうが風に振られるだろうと思った。慣れてくると旅の気分も盛り上がってきた。ブロロロ~というトラックのエンジン音が気持ちいい。
山梨県南都留郡の『道志の森キャンプ場』に到着。若い頃に何度か行ったことがあるけど、15年ぶりとかそんな感じになる。すごく懐かしかった。キャンプ場に着く頃には運転にも慣れた。場内の砂利道は狭かったので、進めるとこまで進んだところを今日のキャンプ地とする。この大きさだと侵入できる道はかなり限られる。これは考えどころだ。
キャンプ場にて
車を停めたところが即、我が家になる。快適以外の何ものでもなかった。
オートキャンプをしていた頃は、キャンプ場に着いたらすぐにテントを張り、タープを張り、その他道具を配置するのが楽しかった。でも、キャンピングカーはその手間が一切ない。だから、時間が余る。この余裕がリッチな気持ちを生んだ。テーブル出して、椅子に座って、スーパーで買った焼き鳥を食うだけで「にひひ……」と笑みが漏れる。時間がありすぎて手持ち無沙汰になってしまい、逆に困った。時間富豪になれる。
快適な車内
翌日は山中湖へと向かった。湖畔の駐車場に車を停めて、あらためて車内をゆっくり見て回る。
外から眺めてみると室内は暗そうにみえるが、中に入ってみると明るい。窓が四方にあるからだろう。
窓際にはテーブル席があり、そこに座ると窓からは山中湖の穏やかな水面が見えた。外を眺めながら食事をしたり、本を読んだり……。車を好きな場所へ移動すれば、毎日違う風景を見ながら過ごすことができるのは贅沢だ。この移動式のリビングがあれば、安アパート暮らしのままだって良い気がしてくる。
ベッドも快適すぎて、昨夜は一瞬で寝落ちした。イメージはフェリーや寝台列車の寝台。ワンボックスの車中泊もそれなりにスペースはあるが、あっちは車中泊、こっちはベッドだ。まったく違う代物だった。
網戸と換気扇は便利。室内の空気を入れ替えるのに重宝するだろう。出入り口のドアは軽い力で開き、階段は乗り降りがしやすい。前回の軽キャンパーは窮屈だった。
レンタルした感想
軽キャンパーと比較して、「キャブコンは家そのものだな」と思った。自分の家を持ち歩いて、好きな場所に「ボンっ」と設置する感じ。車を停めたところが、本日のアウトドアの前線基地となる。
いままでは、家の道具を車に積み込んで、キャンプ場についたら荷物をリヤカーで運んで、テント張って、タープ張ってと仕事に追われ、ひと仕事終えたら「とりあえずビール」、そういうキャンプスタイルだった。
でも、キャブコンなら車を停めたところが前線基地だから、そんな疲れとは無縁だ。ノーダメージで自然のなかに飛び出せる。山に、川に、海に、遊び疲れてクタクタになっても、基地に帰ってくれば柔らかなベッドが待っているなんて最高だよなと思った。
もし、出先で雨に降られたとしても、広い室内に逃げ込めばいい。雨が降ってしまったらあきらめて、雨を楽しむ方向に切り替える。雨の森を見ながら撮った写真の整理をしたり、ブログを書くのもまた良い時間になりそうだ。
もしキャンピングカーがあったら……。
色々とやってみたいことが思い浮かぶ旅だった。
(2017年7月)