天幕ほしぞら

旅暮らしと山道具

比良比叡トレイルを2泊3日テント泊縦走してきた / 琵琶湖を見下ろすロングトレイルを歩く

比良比叡トレイル

 

『比良比叡トレイル』を2泊3日で歩いてきました。

久しぶりのロングトレイルはやっぱり最高でした!

 

『比良比叡トレイル』は琵琶湖の西側に南北に伸びる比良の山々を貫くロングトレイルです。眼下には琵琶湖を望みながら、比叡山延暦寺や山岳リゾートのびわ湖バレイ日本二百名山武奈ヶ岳などを通り抜けるという歴史と眺望を楽しめるルートです。

比叡山の入口である坂本から、ゴールになる高島市朽木までの総距離は約52km。

2泊3日でテント泊しながら歩きました。

 

『比良比叡トレイル』を歩くまでの準備編

地図と行程

まず公式サイトから地図を取り寄せることから始めた。

今回は約52kmのロングトレイル

自分が歩けるのは最大20kmなので3分割して2泊3日で歩くことを決めた。

 

そして、地図を見ながら決めるのはテント泊地だ。

今回一番不安だったのは、初日のテント泊地。ルートを3分割してみると、2日目の宿泊地については丁度良い距離に金糞峠下と八雲ヶ原の2つのキャンプ適地があるので問題ない。しかし、初日は適したところが見つからないのだ。まあ、山の中だし、歩いてみれば何とかなるだろうという結論になった。

 

水場情報 

さらに、地図に水場情報を書き込んでいく。

実際に歩いて確認できた水場は以下の通り。

 

横川駐車場のトイレ、還来神社手前の沢、神社横のトイレ、びわ湖バレイのトイレと自販機、金糞峠下の沢、八雲ヶ原の沢。

 

これ以外にもありそうだが、2泊3日の行程で水に困ることはないと思った。

 

公式地図の所要時間

公式地図の所要時間とおおよその距離は以下の通りだ。実際にかかった時間は()でくくってある。

 

Day1 (比叡山坂本駅~10分)坂本比叡山口駅~林道分岐 21km / 11時間10分(10時間)

Day2 林道分岐~八雲ヶ原 15km / 9時間5分(9時間)

Day3 八雲ヶ原~朽木支所前 16km / 10時間25分(8時間)

 

 

Day1(11月12日) 比叡山坂本駅~還来神社先の登山道 21km(10時間)

今回は終点の駅に車を止め、登山口最寄りの駅まで電車で移動した。安曇川駅で5時3分の始発電車に乗り、比叡山坂本駅を目指す。

各駅に停まる度に様々な年代の人たちぽつりぽつりと乗り込んでくる。自分が電車で会社に向かうときは、当たり前の光景なので何とも思わないが、ふと離れて人を眺めていると、日本人は働き者だとつくづく感心させられる。

下りる駅が近づくと、一段と外が暗くなり雨が降り始めたので唖然とした。『てんきとくらす』の予報通り。1時間のみ雨が降り、のち晴れるはずだ。駅の軒先でレインウェアを着こんで、日の出前の薄暗い坂道を歩き始める。

 

比叡山延暦寺の大講堂

 

比叡山延暦寺までは、2つのルートがあって今回は本坂ルートを歩いた。本坂ルートは人が並んで歩けるような幅があったが、急登が続き道が荒れていた。1時間ほど登ると、突如、コンクリの建物が現れ、延暦寺のメインの境内に入ったことがわかる。

比叡山延暦寺は、平安時代の僧、最澄が開いた天台宗の総本山。親鸞道元などの著名な僧が修行していたり、僧兵がいたり、何度も焼失してしまったり、仏教の歴史では中心的な存在を担ってきたお寺だ。

比叡山を参拝するには、案内所で拝観料を支払う必要がある。だが、この時間は建物の門が閉ざされていたので、通過するのみだった。参拝客とはすれ違うこともなく、掃除をする方が落ち葉を電動ブロアーで吹き飛ばす音だけがする。モミジ以外の広葉樹はすでに葉を落としているようだった。根本中堂あたりの標高は約650m。低山の秋も終わろうとしている。

 

横川駐車場までは奥比叡ドライブウェイ沿いに歩いていく。この道は、比叡山の荒行で有名な千日回峰行のルートの一部になる。

千日回峰行は、7年にわたって山中を歩き続ける荒行だ。特に過酷なのが700日の修行後に行われる「堂入り」。断食断水で一睡もせずに、9日間ひたすら真言を唱え続けるという。「堂入り」を終えた僧侶は、「生き仏」になる。その後は1日60km~84kmものを距離を歩き、人々のために祈り続けるという厳しい修行だ。

修行中の行者がルート上で唯一座ることのできるベンチも大きな杉の下にあった。

 

横川駐車場には綺麗なトイレがある。ここからは、『比良比叡トレイル』のテープが見られるようになった。

このテープについては疑問がある。テープがある場所とない場所がはっきりしていて、ところどころに思い出したように巻いてある印象。たとえば、3日目は道案内の標識にしか巻いていなくて、迷いやすい箇所には見当たらなかった。主要な標識がある場所に居れば誰もが正しいルート上にいることがわかるわけで、巻いてもあまり意味がない。

 

1日目はひたすら杉の植林を抜けていくだけで、眺望はほとんどなかった。還来(もどろぎ)神社までに数回琵琶湖の遠景が見えたのみ。振り返れば、比叡山延暦寺が一番のハイライトだったと思う。

 

初日の問題は、どこでテントを張るかだ。

総距離が約50kmなので、1日に歩くのは17㎞程度にしたい。距離的には18kmの地点になる還来神社付近が良いと思ったが地図を見る限り住宅があるので無理そうだ。ネットでは2つの情報しか見つからなかった。上龍華林道分岐と権現山山頂。「わからない」のが旅の醍醐味だが、テント泊については把握しておきたかったのが正直なところ。

 

実際に歩いてみると、神社手前の魚の子山には張るスペースはあったが、14時過ぎに通過した。神社で水を汲み、次を目指す。期待していた上龍華林道分岐に到着したが、傾斜のある砂利の間を染み出した水が流れているような状態で、とてもテントを張れるような場所ではない。即、さらに進むことを決める。

残りの権現山山頂までは、ここから約2時間半かかる。時間は16時ですでにバテバテ。日の入りが16時50分なので、権現山山頂に着くころには真っ暗になっている計算だ。

初めての山でヘッドライトを点けて歩くのは避けたい。たどり着けなかったら途中でビバークさせて頂くのが良いだろうと考えつつ、歩みを進める。ほどなく、登山道わきに一人分のスペースを発見してギブアップ。もう歩けない。テントを張らせてもらうことにした。

 

 

翌朝になってわかったが、きつい登りが続いたので無理をしなくて良かったと思う。ただ、余力があれば、しばらくして現れる林道の脇に広くて平らなスペースがあったからそちらのほうが良かった。

注意しなければいけないのは、熊がいるかもしれないこと。神社付近で地元のおばあさんが声をかけてくれたときに、「山は熊がおるで」と話していた。実際に、檻が設置されているのをルート上で見たので怖くなった。

1日目は、登山者と出会うことなく、ただモクモクと歩くだけの1日になった。

 

Day2(11月13日) 還来神社先の登山道~八雲ヶ原 15km(9時間)

ラーメンを食べて、早々にテントを畳む。天気もいいし、昨日と比べて体が軽い。

権現山の手前からは多くの人が登ってきて登山道はにぎやかになった。ここから打見山までは人が多いが、それもそのはず。権現山、ホッケ山からの眺めが最高だった。ひょうたんのような形をした琵琶湖と広がる平地、ポコポコとこぶのような山々が見える。

 

比良比叡トレイルから琵琶湖

 

蓬莱山から打見山までは、『びわ湖バレイ』の敷地内で広大なエリアが広がっている。『びわ湖バレイ』は冬はスキーが楽しめる山岳リゾートだ。麓からは121人乗りのロープウェイが運行していて、観光客が多かった。僕は中間に位置する笹平でトイレと自販機を利用した。

打見山の山頂駅付近からはゲレンデを激下りする。ゲレンデ内はロープが張ってあって入れないようになっているが、「登山者のみ入れる」という印があるのでまたいでいくことができた。

 

打見山からはグッと人が減るものの、土曜日ということもあってたまに人とすれ違った。広葉樹の林を歩くので気持ちが良い。アップダウンを繰り返しながら、金糞(「かなくそ」と読む…)峠までくると一安心。金糞峠下と八雲ヶ原がテント泊適地になる。

どちらも沢が流れていて、かなり広いスペースが点々とあるのでテントを張るのに困ることはなさそうだ。ただ、金糞峠下から八雲ヶ原までの川沿いの登山道が不明瞭で何度かルートを見失った。渡河する箇所もあるため、ピンクのテープを見失わないようにしたい。比良比叡トレイルのテープはない。

 

八雲ヶ原

 

予定通り16:00に八雲ヶ原に到着。すでにいくつかグループが到着していて、テントを張っていた。

標高900mで昨日よりも標高が高いせいか、寒くてユニクロの極暖+ウールのベースレイヤー+ナノハイブリッドジャケット+マイクロナノジャケット+モンベル#2シュラフでぎりぎりだった。

他のテントからの盛大ないびきで寝れない。耳栓をしても眠れない。8時間寝ようと思っていたのに、2時間も寝れなかった。外に出ると月明りが、湿原を照らしていた。

 

Day3(11月14日) 八雲ヶ原~朽木支所前 16km(8時間)

日の出とともに出発する。

八雲ヶ原から武奈ヶ岳の山頂へ向かって歩き出すと、いままでなかったブナが生えていることに気づいた。ブナが生えているから武奈ヶ岳(ぶながたけ)なのかと思って、後で調べたらそのようだ。

8時前に山頂に到着。つい「お~、すげー」「最高~!」って声が出てしまうような絶景。頂上に立つと見えない場所に人が何人か座っていたのでオッサンは恥ずかしくなった。

それにしても、スカッとする景色だ。朝日に輝く琵琶湖の湖面が青くまぶしい。でも、冷たい風が強烈に刺さる。それがいいんだと思った。雄大な景色をバックに、自撮りでパシャリ。今回は登山道に魅力がないわりに絶景ポイントが多かったので、自撮り率が高くなってしまった。

武奈ヶ岳は標高約1214mで日本二百名山の一つだ。以前登った日本百名山伊吹山からも琵琶湖が一望できたが、武奈ヶ岳や昨日の権現山から打見山までも胸がすくような景色が広がる。車で走っているときも思ったけど、滋賀は空が広くて気持ちがいい。

僕がテント内でごそごそやっている間にスタートするグループがいたのは、山頂から日の出を見るために違いない。

 

 

武奈ヶ岳からはだいぶ下ることになり、眺望は少なくなった。広葉樹のなかを歩く。標高が下がると、一部に黄葉する木々が見られた。

最後の山になる蛇谷ヶ峰(標高901m)は人気のようで、山頂にはけっこう人がいた。パノラマの景色を見ながら、ランチタイムのようだ。最後に琵琶湖の眺めを目に焼き付けて、下山をはじめる。

 

車を置いた安曇川駅までは、朽木支所前からバスで帰る。1時間おきくらいにバスが運行している。

下山道は、一部にルートマップにはないう回路があるもののしっかりとした登山道が設けて合って問題なく歩けた。

予定より早いバスに乗れそうだったので、舗装路に出てからはところどころ走りながら。3日目になれば、水や食料が減っているので無理をすることもできた。

10分前に到着。トレッキングポールを畳み、ゲイターを脱ぎ、自販機でカフェオレを買って一息ついたところでバスが来た。3日間足のトラブルもなく、久しぶりにロングトレイルを歩けたことが嬉しかった。バスに揺られると、旅を振り返る間もなく寝落ちした。

 

『比良比叡トレイル』を歩いて

比良比叡トレイル


いつかは『比良比叡トレイル』を歩きたいと思っていました。

公式サイトをのぞいたところ、ルートマップが完成したとのことだったので歩くことを決意。紅葉を狙って行ったつもりでしたが、少々遅かったようです。でも、葉の落ちた登山道は好きなのでOK。

2泊3日のロングトレイルの装備については後日まとめたいと思っています。良かったらそちらもご覧ください。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

 

『比良比叡トレイル』の動画について

一人で撮影しているので、距離を歩くことになるロングトレイルの旅で動画を撮るのは無理かなと思いましたが、何とか撮ってこれました。

今回はパナソニックのGX7MK2で撮りました。コンパクトで必要充分な写り。やっぱり旅カメラとして最高です。

ぜひご覧ください!

 

youtu.be