テント泊登山のデビューは「明神平」がおススメ。ハイキングコースも紹介
初めてのテント泊登山なら明神平へ
関西でのテント泊登山をお考えですか?
もし今回が初めてのテント泊登山なら、明神平がおススメです。
ブナの木々が芽吹く春、澄んだ空に映える紅葉の秋、落ち葉のトレイルを楽しめる初冬。明神平にテントに張れば、これらの快適なハイキングが楽しめます。
明神平は標高が1300m付近ですので比較的天候が穏やかで、登山口から2時間弱のアクセスがしやすい場所にあります。
今回は、奈良県の明神平の紹介と、テント泊をするときに持って行きたい装備をを紹介したいと思います。
- 初めてのテント泊登山なら明神平へ
- 明神平の紹介
- なぜ明神平が初めてのテント泊に向いているか、それ以外は?
- 秋の明神平1泊2日テント泊装備リスト
- 秋の明神平の防寒対策
- おすすめのハイキングコース
- 明神平の動画について
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明神平の紹介
近畿には二つの屋根があります。一つは大峰山脈。そして、もう一つが明神平のある台高山脈です。台高山脈は、北の高見山から南の大台ケ原山までの南北に伸びる山脈で、「台高」の名前はそれぞれの山から取られているそうです。明神平はその台高山脈登山の起点となっています。
明神平の標高は約1300m。周辺は落葉樹が生える美しい森で、のどかな雰囲気があります。僕はこのあたりが好きで、移住してしまった今ももっと登っておきたかった、また登りに行きたいと思っている山域です。
春の新緑の時期も良いですが、僕が好きなのは晩秋の時期です。落ち葉がたくさん落ちているトレイルを歩くのが最高に気持ちが良いです。
僕は奈良県側からしか登ったことがないので、今回はこちらのコースを紹介したいと思います。
なぜ明神平が初めてのテント泊に向いているか、それ以外は?
①登山口からテント場までの距離が短い
東吉野村にある大又林道を進むと、終点には20台程の車が駐車できるスペースがあります。ここが明神平への登山口となります。
登山アプリのYamapによると、登山口から明神平までのコースタイムは1時間45分です。
1時間45分という時間は、登山としては短すぎると感じるかもしれません。でも、あまり疲労せずにテント場に到着できるというのがおススメの理由です。頑張ってテント場までたどり着いたら、あとは自由時間。テントの張り方を研究したり、周りを散策したり、身軽な装備でハイキングをしたり、体力が余っているのでのんびりと過ごすことができます。
高山のテン場では、こうはいきません。到着するまでがまず大変。到着しても周りは、薄汚れた重装備の強者ばかり(笑)だから、緊張してしまいます。
最初はゆっくり、のんびり。これくらい余裕があったほうが安全にリラックスして楽しめると思います。
アクセスが良い利点は他にもあります。それは下山しやすいということ。
僕は、明神平でテントを張った後、夕方に天候が悪化してきたため、急遽テントを撤収して下山したことがあります。何かあったときに、すぐに下山できる距離であると臨機応変に対応できるのが良いところです。
②テント場にバリエーションがある
テント場には3つのバリエーションがあります。
1つは芝の生えた平坦なスペース。ここからは沈む夕日を眺めることができます。
2つ目は、中央の広場的な場所。両側に美しい山を眺めつつ、空も広い場所です。
そして、3つ目は奥のダケカンバ(?)の森の中。僕のように静かにキャンプしたい人はこちらが向いているかもしれません。
平坦のスペースや広場は眺めは良いものの、風が通り抜けることもあります。もし、風が強かったらどうすればいいか。その時は、奥の森の中に移動すれば良いのです。
テント場にバリエーションがあるというのが、初心者にも向いていると思う良い点です。
③利用客が多い
人気の山域ですので安心して登れます。平日の登山者数は少ないですが、天気の良いた土日でしたら複数のテントが張られているはずです。
また、どんなに人が多くても北アルプスのようにテントが張れないということはまずないと思います。
④水場がある
山頂に着く手前と、テント場近くに水場があります。重い水を背負わなくてよいのも初心者に向いています。
テント場に放置してあるさびたドラム缶(だったかな?)に、「←水」と、水場がある方向をペンキで書いてあった記憶があります。森の奥に踏み跡があるので進んでください。
明神平以外の低山のテント場
関西地方で明神平以外で僕が行ったことがあるのは、比良比叡トレイルを歩いたときの八雲ヶ原です。ここは比較的有名な場所ではないかと思います。利用したときは、山岳サークルなども含めて複数のテントが貼ってありました。
また、兵庫だと六甲全山縦走路を歩いた時にテントを張った市ケ原。一度しか訪れたことがありませんが、テント場として比較的知らている場所のようです。念のため、近くの商店でテントを張る旨を伝えておきました。
また、中部地方では鈴鹿セブンマウンテンを歩いたときにテントを張った場所も人が多い印象でした。
いずれもブログ記事を書いているので、よかったらご参照ください。
秋の明神平1泊2日テント泊装備リスト
テント泊登山の持ち物は、書籍や雑誌等で公開されている「装備リスト」を利用すれば間違いありません。
今回は、僕が2021年の9月下旬の連休(シルバーウィーク)に明神平に登ったときの装備リストを紹介します。
夏に登る場合は、服装とシュラフを変更すれば対応できます。
バックパックの重量は約6キロ。カメラやトレッキングポールなどを入れると8キロを越えます。着ている服をのぞくと、持ち物は約10キロです。
割と余計なものを持って行ってますが、これくらいの重量なら楽にテント場へ行けるかと思います。
秋の明神平の防寒対策
9月下旬の服装も紹介します。
もちろんその年の気温に応じて適切なウェアは変わってきます。ちなみに、僕はひょろひょろのやせ型のせいか、とても寒がりです。
ベースレイヤーはTシャツです。天気が良かったので、昼間はTシャツ一枚でOKでした。ただし、僕は寒がりですけど、昼間は人が長袖を着ているときもTシャツなので、基本は薄手の長袖が良いのかなと思います。
ミッドレイヤーはファイントラックのドラウトセンサーです。現在のドラウトセンサーは厚手になってしまいましたが、昔のやつは薄手のジャージのような素材でした。これをTシャツの上に羽織ります。
ミッドレイヤー2号はパタゴニアのハイブリッドナノエアジャケット。廃番になってしまったのが残念ですが、薄手のミッドレイヤーで軽くて柔らかい手頃なミッドレイヤーです。これは無くてもいいかもしれません。
夜のアウターは、ダウンや化繊のインシュレーションジャケットです。これは、薄手のもので対応できます。僕はパタゴニアのマイクロ・パフ・フーディを使っています。
モンベルですと、スペリオダウンジャケットが同程度のジャケットになります。
パンツはノースフェイスのトレックライトパンツ(廃番)です。ペラペラの薄手のパンツで、暑かったので裾を折って履いてました。
インシュレーションパンツはキャラバンのダウンを使っています。
シュラフはモンベルの#5を持ちました。快適温度が8℃、使用可能温度が3℃です。ダウンパンツを持たない場合は、僕なら#3を持って行きます。
おすすめのハイキングコース
明神平を起点に、5つの方向へ登山道が伸びています。
テントを張ったら、荷物を置いて身軽な装備でハイキングすることができます。
桧塚奥峰
ブナやミズナラの森を歩く気持ちの良いトレイルです。激しいアップダウンはありませんが、距離が長いのでしっかりとした装備が必要です。僕は道迷いしないように、紙の地図や登山アプリを持参しています。コースタイムは往復2時間半です。桧塚まで脚を延ばすと3時間です。
薊岳
周りの山々を眺めながら歩くことができる稜線上のトレイルです。コースタイムは往復2時間20分。
薊岳が目標ですが、このコースを歩く場合は駐車場から日帰りで周回するほうが効率的です。ただし、道迷いしやすい激下りがあるので要注意です。
僕は明神平にテントを張って、途中まで散策して引き返すのが好きでした。往復2時間くらいかけて、お茶して帰るというハイキングはいかがでしょうか。
国見山方面
駐車場からの赤ゾレ山~国見山~明神平で周回で歩いたことがありますが、このときは深い霧で周りが見えなかったため評価できません。
ブログには書きませんでしたが、実はこのときひどい道迷いをしました。
進むべき道がわからなくて池のほとりで「やばいことになった」と焦っていたら、突然、霧の中から年配の方が現れました。その方も迷っていたらしく、「ぐるっと回って、またここに戻ってきた」と恐ろしい話をしてくれました。昔このルートを歩いたことはあったそうです。二人ともYamapアプリを使っていることを確認。とりあえず、二人で軌跡を見ながら行動することにして危機(!)を脱出したことがあります。その日は誰とも合わなかったのに、突然現れたおじさんは山の神だったのかもしれません。
このコースを登る方は何度か見かけたことがあったので大丈夫だと思っていましたが、霧がかかったときは大変な思いをしたという一体験です。
ちなみに、紹介している駐車場から明神平までのコースは、登山道がはっきりしているため、そのような事態になることは考えにくいです。ただし、崖の場所もありますので、通常の登山と同じく注意が必要です。
明神平の動画について
いかがでしたでしょうか。
記事を書いていると、また歩きたくなってきてしまいました。
個人的には、とても雰囲気の良い場所だと思っていて、これからも永く歩ける場所であってほしいなという気持ちでいます。
明神平の紹介動画を作りましたので、ぜひご覧ください。
また、2021年のYamap動画コンテストに応募した作品も紹介させてください。こちらもロケ地は明神平です。
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