天幕ほしぞら

テントに泊まる登山とロングトレイルの旅

「初めて」の北アルプスは『裏銀座&表銀座4泊5日テント泊縦走』

裏銀座

 

北アルプスに登ろうと思った理由

山に登る人にとって、北アルプスは憧れの山域だそうだ。

急峻な岩肌を持つ3000m級の山々とそのダイナミックな稜線。

足元に咲く可憐な高山植物や希少な雷鳥との出会い。

たしかに、普通の山ではなかなか味わえない魅力がぎゅっと詰まっている。

しかしその登山道は決して生易しいものではない。緊張を強いられる岩稜帯を越えなければいけなかったり、クサリ場やハシゴなどの危険個所が連続することもある。

それでも「それを克服してでも歩きたい」と思わせるだけの魅力を持っているのが北アルプスなのだという。

 

でも、僕はまだ山登りをはじめて2年目。

北アルプスに憧れるどころか、地図上で北アルプスがどこなのかもわからないし、山の名前も槍ヶ岳と穂高を聞いたことがあるくらい。僕のやっていた「山登り」とは明らかに異なる本格的な「登山」であって、関わりのない世界だと思っていた。

 

そんな僕が、なぜこの夏に北アルプスにチャレンジすることにしたのかというと、長野を移住先の候補として考えているからだ。

残念だけど、「移住」といっても、優雅な感じのやつではない。アウトドアが出来そうなところに移り住んで、現地でアルバイトを見つけながら点々とする「その日暮らし」のような生活だ。そんな生活を40代も半ばだというのにやってるわけだけど、(それは置いておいて、)もしこの先もずっと登山を続けるなら、名山が多い長野は魅力的な移住先だと思っていた。

以前長野に住んでいたときに、「山があるから、松本に引っ越してきたんだ」という人と出会ったこともあった。その時は山に興味が無かった僕だったが、登山をするために長野に引っ越してくる人がいることに驚いたものだ。

でも、僕自身が「どうしても北アルプスの近くに住みたい」と思うかどうかは、実際に体験してみないとわからない。それが、今回歩くことにした理由だった。

 

初めての北アルプス。どのルートを歩くか?

初めての北アルプスのルートは『山と溪谷 2019年5月号 』のテント山行の特集を参考にした。

 

 

  • 「6日間」で歩けるルート(夏休みは他にも予定あり)
  • 「テント泊」できること(山小屋は苦手だからできれば利用したくない)
  • 「技術的な不安が全くない」こと(ロープワークとかムリ)
  • そして、「特別に」景色が素晴らしいこと(私の山の楽しみ)

 

 

その条件で見つけたルートが『裏銀座』だ。

 

なんとも、怪しげなネーミング。

『裏』の『銀座』……。

 

ココしかない。『アソコ~アソコ』みたいなルートとは何かが違う、忘れようがない名前だ。

 

『裏銀座』は、大町にある高瀬ダムから槍ヶ岳を目指し上高地へ抜けるルートで、『山と渓谷』では4泊5日で紹介されていた。

大町というのは、長野県の上のほうにある、雪がたくさん降るあたりだろう。「いくつもの名峰を越えていく大縦走路」「相応の体力と日程が必要」とある。

大変だけど、やりがいがありそうだ。

 

そして、ネットを眺めていると、やはり『裏』があるからには『表』もあることがわかった。

『表』は燕岳から同じように槍ヶ岳を目指し上高地へ抜けるルートで、ヤマケイオンラインでは3泊4日で紹介されている。どちらかというと、『表』のほうがメジャーのようだった。

 

裏銀座と表銀座

裏銀座と表銀座の地図


左から槍ヶ岳を目指す『裏(=緑色)』と右から槍ヶ岳を目指す『表(=青色)』。

これを地図上で見て、あることに気付いた。

槍ヶ岳を中心にぐるっと回れるんじゃないか(=紫色)?

 

高瀬ダムから裏銀座を南進し、槍ヶ岳に到達したあとは上高地に抜けるのではなく、そのまま東鎌尾根に入り表銀座にまわって北上し燕岳に達するルートだ。

これなら『表』と『裏』を両方楽しめるし、スタート地点に近づくので交通費を節約できる。

 

これでいこう。

 

「銀座」という名を冠したルートの『表』と『裏』。

登山愛好家が憧れるという北アルプスを知るにはパーフェクトな組み合わせだ。

僕の初めての北アルプスは『裏銀座&表銀座テント泊縦走』と決めた。

(2019年7月) 

 

いよいよ北アルプスの旅が始まった!1日目~2日目 

 

関西おすすめのテント泊コース!明神平~薊岳周回

明神平付近


最近は「テント泊の山旅」に興味が出てきました。

私はバックパッキングやロングトレイルの経験はあるものの、純粋に「登山×テント」というスタイルの旅をしたことがありません。

 

そこで、登山専門誌の『山と渓谷 2015年5月号』の特集「夏のテント山行 入門とガイド」のなかで紹介されていた、奈良県の明神平~薊岳の周回コースに行ってきました。

でも、今回はテント泊はなし。日曜日がしっかりと雨予報だったので、「人気のテント場とはどんなものだろう?」という偵察のみになります。

 

人気のテント場、明神平を見学する

薊岳の林道


関西も6月下旬になって、ようやく梅雨入りしました。

雨がパラつくなかを出発しました。 

林道には草木が覆い被さるように延びていて、緑のトンネルになっていました。

新緑の美しい時期が終わり、これから緑が鬱蒼としていくのでしょう。

 

明神平

明神平

明神平

 

残念ながら、テント場がある明神平はガスっていました。

あっという間にテント場に到着するので、はじめてのテント泊には丁度良いかもしれません。緑の世界なのが印象的です。

 

近くには山小屋と東屋があって、女性2人組が雨宿りをしていました。何となく近寄りがたかったので素通りしましたが、今日の登山ですれ違ったのは3組だけ。雨予報だったからかもしれません。

 

薊岳のブナ

苔


明知平から薊岳までは、ブナやミズナラの林を通り抜ける稜線が続きます。気持ちが良くて、かなり楽しめました。

 

 

東吉野村の渓流

 

東吉野村に入ると、川の風景がきれいです。

本流?のほうではアユ釣りをする人が川に立っていました。

 

【データ・メモ】明神平~薊岳(標高1406m)周回

【ルート】大又林道終点駐車場~明神平~薊岳~大又林道終点駐車場

 

明神平から薊岳のコースタイム

 

スタートが遅かったので薊岳はパスしました。
薊岳から大又の駐車場に下りる道は踏み跡が薄いところがあります。私はテープを見落とさないように注意しました。そもそも、スマホなしでは下山ルートの分岐もわかりませんでした。もし、分岐が分かったとしても、スマホがなかったら遭難が怖くてこのルートに入るのをやめたと思います。

最初から最後までずっと杉林です。斜度がきつかったので、膝を痛めてしまいました。

登山口にある駐車場は比較的広いですが、若干斜めっているので車中泊は少しつらいかもしれません。

(2019年7月13日)

初夏の伯母子岳と護摩壇山【日本二百名山・日本三百名山】

護摩壇山の夕日

 

正直に言うと、低山の登山に少し飽きてきました。

低山の多くは、登山口に入ると、まずは杉の植林の中を登って、尾根に出ると広葉樹の林があって、頂上に到着すると少し展望が開けるという展開です。

植物の植生を考えれば当たり前のことなのですが、同じ繰り返しに食傷気味なのです。

 

低い山は、歩く登山道も見える風景にも変化が乏しいです。

いまと違う風景を見たいなら、もう少し違う登山のやり方を考えた方がよいようです。

そんなわけで、今回は気分が乗らず、写真を撮る意欲が湧きませんでした。

 

伯母子岳

奥千丈林道登山口

 

なかなか梅雨に入らない関西。記録的な遅さだそうです。雨が本格的に降る前に初夏の伯母子岳に登ってきました。

登山口から陽の差し込む明るい雑木林を歩けるのは、ほかの杉ばかりの低山と違うところです。登山道(作業道)は尾根を水平に伸びているので、疲れることなく鼻歌交じりで歩けます。

尾根が終わると、少し下ったあとに上りがあり、頂上へ向かいます。

 

伯母子岳の登山道

 

今年は「春から続けて山に登る」という初めての経験をしていますが、そのおかげで季節の移り変わりを感じることができています。

今回登ったのは6月22日ですが、山は夏の日差しでした。緑が濃くなり、虫が多くなっています。

 

汗が肌を流れ落ちるのは我慢できるとしても、虫だけはうるさくてかないません。

立ち止まると虫だらけでになって、ゆっくり座ることすらできません。

このうるさい虫は、「目虫」、「耳虫」と勝手に名付けているのですが、ホントにどうにかしてほしい。特に、特攻で目に飛び込んでくる奴は本当に腹が立ちます。

少し前の登山では防寒対策を考えていたけれど、いまは虫対策を真剣に考えなければいけなくなりました。

 

護摩壇山

護摩壇山の登山道


登山道に停めた車に乗り込み、前夜に車中泊した道の駅龍神スカイラインごまタワーに戻りました。

少し休憩したあとに、護摩壇山に登ります。

護摩壇山は数十分で登れる山です。山頂からは展望がなく、その先の龍神岳まで歩くと展望が開けます。

 

低山のマンネリを打開するために

百名山や二百名山といった基準を頼りに日帰り登山をしても、数を落とすことが目的になってしまい、面白い登山にはなりません。

 

距離を伸ばす、高く登るというように「歩き方を変える方法」

山で釣りをしたり、温泉に入ったりというように「山で何かをする方法」

 

低山のマンネリを打開する方法を少し考えていきたいと思いました。

 

登山データ・メモ

伯母子岳(おばこだけ/標高1344m/奈良県/日本二百名山)

龍神スカイラインごまタワーの道の駅で前泊。明朝、奥千丈林道登山口の路肩に車を停め6:30に出発した。アップダウンは少なく、歩きやすいハイキング道。はじめは作業道を歩き、最後の800mのみ登山道という構成。

 

護摩壇山(ごまだんざん/標高1372m/奈良県・和歌山県/日本三百名山)

道の駅龍神スカイラインごまタワーに登山口があるお手軽な山。頂上までの木々には、ところどころに木の名前が書いたプレートがかけてあり勉強になった。やっと、ミズナラやブナを確信して見分けられるようになった。頂上からすぐの龍神岳からは南への視界が広がっていた。

道の駅にはバイクが集結していたが、登山中はバイクの音がうるさい。

(2019年6月22日)