天幕ほしぞら

テントに泊まる登山とロングトレイルの旅

ある山の、新緑と水の風景

 

美しい清流の小滝


6月に入り雨が降るようになったけど、梅雨に入りそうで入らない関西地方。

前日の雨に濡れた森に入った。横には清流、鳥のさえずりを聞きながら登る。

 

美しい清流

 

美しい森のつくる水。

ごくごく飲みたい、透明感。

 

新緑の滝

 

桃源郷のようだ。

小さな渓谷に陽が差し、新緑の光が飽和した。

 

陽が差し込む清流

 

新緑の登山道に入る

新緑の登山道

 

曲がる蔓

自由でいい

山頂の新緑

視界が開ける



尾根の登山道

山頂までブナの尾根道になった。

 

 

カエデの種類だと思うけど……。

まだ、木の種類を見分けられない。

 

逆光のシダ

登山道のサワガニ

道の真ん中にいたら危ないぞ。

 

清流のアマゴ

真ん中のグレーの石の上をよく見て

 

車道の脇には里川が流れていた。

よく見るとアマゴがいる。竿を持ってくれば良かった。

でも、ひらひらと泳ぎ、ときおりすばやく虫を捕食する様子を眺めるのも飽きなかった。

 

 

■撮影機材

カメラ LUMIX GX7 Mark II

レンズ LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.

(2019年6月9日)

『大台ケ原 東大台コース』日本有数の多雨地帯の森を歩く

東大台コースを歩くハイカー

東大台コースを歩くハイカー

 

多雨地帯の新緑

新緑の美しい大台ケ原(おおだいがはら)を歩いてきました。

 

実は、2週間前の5月18日にも、この大台ケ原にやってきたけど雨で撤退。大人しく、ビジターセンターを見学して帰ったのですが、今回は晴れてくれてホッとしました。

それも、大台ケ原は雨が多い地域だからです。

 

大台ケ原は、屋久島と並び、日本有数の多雨地帯だと言われます。ただ、屋久島は梅雨、台風、冬に雨が多く降るのに対し、大台ケ原に雨が降るのは台風の時期が多いとのこと。

 

大台ヶ原は紀伊半島の南東に位置しており、熊野灘までわずか20km足らずの距離で、標高差1,500mの斜面を形成しています。台風の時期には、太平洋の湿気をたくさん含んだ風が熊野灘からこの斜面を吹き上げられ、急速に冷やされて雲ができ、大雨を降らせるのです。

引用元:環境省_吉野熊野国立公園大台ヶ原|大台ケ原とは|自然環境|大台ヶ原の気候

 

大台ケ原の年間降水量は5000mmとも言われているのですが、そのおかげで深く豊かな森と美しい水が流れる渓谷が形成されているわけです。

 

大台ヶ原は、日出ヶ岳や大蛇嵓など見どころが多い「東大台」、原生林が広がる「西大台」と、二つの地区にわけられています。西大台は入山制限されており、事前に手続きが必要になります。今回はハイキング道が整備されていて歩きやすい東大台コースを歩きました。

 

さて。リベンジでやってきた大台ケ原東大台コースですが、新緑のベストな時期でした。

 

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苔の探勝路

ミズナラやトウヒの美しい散策路、「苔の探勝路」です。よく整備されていて、ところどころに解説文があるので勉強になります。

水のせせらぎ、鳥のさえずりを聞きながら歩きます。

 

トウヒの立ち枯れた風景

正木ヶ原の立ち枯れたトウヒ

立ち枯れたトウヒと遊歩道

正木ヶ原や牛石ヶ原ではトウヒの立ち枯れが見られます。

 

1959年(昭和34年)に近畿地方を襲った伊勢湾台風が森林を破壊して地表に日光が差し込むようになり、コケ類が衰退してミヤコザサが繁茂し始めたためである。ミヤコザサの繁茂はこれらを主食とするニホンジカの生息数増加を招き、大台ヶ原の森林を構成する樹木の幼木や樹皮がシカに採食されるようになった。

引用元:大台ヶ原山 - Wikipedia

 

見晴らしの良い絶景だけど、そういった事情もあります。

 

大蛇嵓(だいじゃぐら)

大蛇嵓で写真を撮る登山客

 

大蛇嵓(だいじゃぐら)は大台ケ原の山々が目前に広がる絶好の撮影スポットです。

大蛇嵓を越えると、登山道っぽくなり、若干の下りと上りがあります。

 

新緑の大台ケ原 東大台コース

ブナの大木

下草の新緑

大台ケ原東大台コースの新緑

新緑がまぶしい遊歩道

 

シオカラ谷の清流で昼食を取ってから、駐車場のあるビジターセンターに帰りました。

 

標高が高いせいもあって、虫に悩まされなかったのが良かったです。

だいたい、半日もあればゆっくりと散策できるので、その後はビジターセンターでゆっくりするのも良いかと思います。ビジターセンターには、歴史や動植物の生態などの展示がありました。

 

大台ケ原 東大台コースの記録 

大台ケ原の正木ヶ原

大台ケ原の駐車場

林道に入って20キロ走り、そのどんつきが駐車場です。無料駐車場は200台のスペースがあります。

夜中に走って駐車場に向かいましたが、途中にはヘッドライトに照らされる鹿がたくさんいて食害の深刻さを実感しました。関係ないけど、車の目の前をモモンガが飛んでいきました。 

 

大台ケ原の気温と服装

日の出ヶ岳の展望台の温度計で11度。Tシャツの上にジャージを羽織っていました。 

 

大台ケ原 東大台コースのコースタイム

日付/6月1日

天候/晴れ

山/大台ヶ原山(おおだいがはらやま/標高1695m)【日本百名山】

コースタイム/7:00ビジターセンター~大台ヶ原山(日出ヶ岳)~大蛇嵓~11:40ビジターセンター

大台ケ原東大台コースのコースタイム

ウラヤマ的ロングトレイル!『六甲全山縦走路』テント泊縦走に行ってきた

海と並走する『六甲全山縦走路』

5月下旬。夏のような暑い陽差しのなか『六甲全山縦走路』を歩いてきた。

『六甲全山縦走路』は、神戸の裏山的存在「六甲山」を貫く約56キロのロングトレイルだ。今回も独りで1泊2日で縦走した。

 

ちなみに、ゴール地点の宝塚というのは、“あの”宝塚のこと……。関東に住んでいた頃には、まるで縁が無いと思っていたのでちょっと嬉しい。

ついでに、名前でしか知らなかった六甲山のことも少し調べてみた。 

 

 

六甲山(ろっこうさん/標高931m)は、兵庫県にある日本三百名山だ。一般的に六甲山とは山域の全体を差していて、最高地点は「六甲最高峰」と呼ばれている。

六甲山周辺には観光施設が点在しており、グルメやショッピングのほか、牧場や展望台などレジャー施設で充実している。ケーブルカーやロープウェイでアクセスしやすいこともあり、登山以外でも楽しめる一大スポットだ。

 

 

今回は、海沿いの駅、須磨浦公園駅からスタート。

ロングトレイルといえば、普通は緑豊かな山の中にありそうだけど、『六甲全山縦走路』は海を眺められるトレイルだ。

歩き出すと、すぐに高度を上げて、まもなく見晴らしのよい展望台にたどり着く。目の前には神戸の街と海が広がる。右のほうに目を移すと、淡路島にかかる明石大橋も見えた。一度には目に入らないほどの視界の広がりがすごい。

夜景も有名だけど、なるほどな~と思った。

 

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神戸の街並みを見下ろす

 

『六甲全山縦走路』は、神戸の街の裏山をひたすら歩く感覚。時折、神戸の街と海の景色が見える感じだ。

初日の見どころは、須磨アルプスの「馬の背」。

晴天の下、ポコポコと連なる山々と色とりどりの屋根が見えた。ミニチュアみたい。 

 

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須磨アルプスの「馬の背」

 

「馬の背」までは人が多かったけど、それ以降は人が少なくなった。

ひたすら、歩く、歩く。 

低山の連続。

5月も下旬となり、低山では葉が茂り、虫も多くなった。毛虫だらけで、顔に虫がまとわりついてくるのがうるさい……。

そして、陽にも焼けた。5月末で、すでに気温は30度を越えている。Tシャツと薄手の短パンでちょうど良い感じだ。

 

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六甲全山縦走路のハイキング道

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市ケ原でテント泊

夕方に市ケ原に到着。河原でテントを張ることにした。市ケ原には売店があり、何か食べられそうな感じ。自動販売機とトイレもあった。

 

ドピーカンの晴天だったのに、一人だったのが意外だった。バーベキューや川遊びで混雑しているだろうなと思っていたが……。都会なのに一人なのはちょっと寂しい。

でも、夜になって「声がする~」と恐る恐るテントの外を覗いたら、トレランらしき人が2組、ヘッドライトを点け暗闇へと走っていった。

 

夜は冷えて、上着と長ズボンが必要になった。

今夜は快晴だから星でも見ようと思って、マットの上で寝転んでいたが、街の灯りのせいで空が明るくて結局星は見えなかった。そのかわり、海からの風が六甲の山にあたって、雲がモクモクと発生して風にのって流れていくのが見えた。オレンジ色の街の光に照らされて不思議な感じ。

 

ウラヤマ的縦走路

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つつじが咲いていた

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道路を横断することも

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街を見下ろしながら歩ける手頃なロングトレイル

『六甲全山縦走路』は、常に街の音が聞こえているロングトレイル。

山のなかを歩いているのにも関わらず、車の音やヘリコプターの音だけでなく、少年野球の子供たちが「おー、おー」と言ってる掛け声まで聞こえてくる。

夜は、汽笛の音が聞こえた。港の街神戸の、まさにウチの裏山的な感覚の山なのだ。

 

残念なのが、街に近すぎて、住宅地を歩くことが多かったこと。風景が味気ないし、アスファルトと太陽の照り返しで消耗した。

住宅街では変わり映えしない風景で道迷いしたが、スマホのGPSで復帰。『六甲全山縦走路』の標識は多いので、注意していればほぼ迷うことはないと思う。

 

 

『六甲全山縦走路』は小説『孤高の人』の舞台だった

私が唯一読んだことのある山岳小説が『孤高の人』。だいぶ前に読んで忘れていたけど、単独行を愛した伝説の登山家である加藤文太郎が歩いたのがまさにこの『六甲全山縦走路』だった。加藤文太郎は須磨に住まいがあり、須磨から宝塚まで歩き、その日のうちに須磨まで帰ってきたのだという。おそろしや。

でも、実際に歩いてみると、それがありえない距離と早さなので感嘆するんだけど、せっかく宝塚まで行ったのにまたこの道を帰ってくるなんて、何が面白いのかまったく理解できない。おそろしや。

 

『六甲全山縦走路』は手軽さが魅力

自然を求めてくるとガッカリするかもしれないけど、『六甲全山縦走路』はその手軽さが魅力だ。

加藤文三郎のように「ちょっと時間が空いたから行ってくるか!」とか、私のように「自分がいまどれくらいの距離を歩けるのかを知りたい」でも何でもいいけど、気軽にチャレンジできるトレイルなのかなと思う。エスケープルートも豊富だから、自分に合ったプランニングはしやすいだろう。

もちろん、『六甲全山縦走路』は手軽だと言っても山なので、確かな装備と余裕のある旅程を持って挑みたい。

ちょっと裏山へ。『六甲全山縦走路』はそんなロングトレイルだった。

 

六甲全山縦走路1泊2日テント泊縦走の記録

日付/5月25~26日

行程/須磨浦公園駅~市ケ原(泊)~宝塚駅

天候/晴れ

通過した主な山/六甲山(日本三百名山)

移動距離・コースタイム/約56km

メモ/初日の昼過ぎに両膝を共に痛めて悲しくなる。歩く人は生駒縦走歩道やダイヤモンドトレールのほうが多かった。六甲最高峰からは人気がなくなったが、おだやかな道になる。

水は1日1.5Lの飲み水と調理+コーヒーの1Lが必要。翌朝の分を合わせて3L+350mlでも足りなかった。