谷川岳近くの白毛門駐車場に車を停めてブログを書いている。
外は雨だ。
下山時から降り始めた雨は徐々に強くなって、夜になっても降り続いている。
周りには誰もいない。雨が車の屋根を叩くのを聞きながら、今日の登山を振り返っている。
今日から上州登山の旅がはじまった。
そして、最初の百名山である群馬県にある武尊山(ほたかやま・標高2158m)に登った。
でも、はじめからすごく落ち込んでいる。
それは、この雨もそのひとつの理由だけど、下山時に膝を痛めてしまったからだ。
登山と膝痛
私は以前から、山に登るとかなりの確率で膝の外側が痛くなってしまう。
登りはいつも平気。でも、下山中に痛くなりだして、ひどい時はびっこを引いて歩くぐらいの痛みになってしまう。
雑誌『山と渓谷2017年3月号』に掲載されたアンケートによると、膝痛に悩む回答者332人のうち200人が下山中に痛むと答えている。
下山中の膝の痛みは、多くの登山者の悩みのようだ。
登山中の膝痛のほとんどは、腸脛靭帯、鵞足、膝蓋下脂肪体のうちいずれかで炎症を起こしていることが多いという。
登山では、登りで大腿四頭筋、下りでハムストリングスという筋肉を主に使います。鵞足はハムストリングスが脛骨とくっ付いている部分なので、下り続けると引っ張られて負担がかかり炎症を起こすのです。腸脛靭帯や膝蓋下脂肪体の炎症も同様に、脚の筋肉のオーバーユースが原因です。
このように、膝痛といっても、内側や外側、下の方など、人によって痛む場所は違う。
誌面には、写真付きで炎症が起きやすい場所が示されているので、痛む箇所を自己診断できる。
膝痛の予防
あまりにも痛いので、車に戻ってからはネットでも色々と調べてみた。
すると、私の場合は痛むのが膝の外側という場所から「腸頸靭帯炎」だと思われた。
腸頸靭帯炎は、ランニングする人のなかでは「ランナーズニー」と呼ばれていて、よく見られる症状らしい。
炎症だからまずは安静が大切。膝痛の予防としては以下のような方法がある。
筋トレとストレッチ
どこにでも書いてあったのは、筋トレとストレッチだった。
『山と渓谷2017年3月号』には、効果的な筋トレとしては以下の種目が紹介されている。
スクワット、フロントランジ、ヒップリフト、バックキック、カーフレイズ
これらは、Youtubeの動画でやり方を確認できる。
また、体が硬いと膝痛になりやすいそうだ。登山開始時、終了時に加え、普段からお尻から脚までのストレッチが有効。私は極端に体が硬いから原因の一つかもしれない。
歩き方
私は猫背でO脚。ランナーズニーでも原因の一つだけど、登山でもよろしくない。
猫背や後傾は膝への負担が増す。猫背は腰が曲がるため、バランスをとるため膝も曲がった状態が長くなる。また、下りでは後傾になりやすく、踏み出す足が探り足のようになり、両膝の筋肉を酷使してしまう。結果、膝への負担が増大する。
正しい歩き方とは、頭から肩、腰、くるぶしまでを鉛直にすることだという。
そして、2本のレール上を歩くように平行に足を出す。
体の鉛直を維持し、踏み出した脚にしっかり体重を移動させ、膝を伸ばし、片脚立ちしている時間をできるだけ長く取ることが重要。筋肉のオフの時間をつくり、筋力を温存するのだ。ポイントは、踏み出した足が着地した瞬間に、着地した足から頭までの鉛直がつくられているようにすること。重心は後ろ足へ残さず、前へ前へ移動させる。前足が後ろ足をリードする形が理想的だ。
膝へのショックを和らげようと、エスカレーターに乗っているかのように、膝を曲げたまま下りるのは逆効果。
これもやってた……。う~ん、なるべく膝をいたわろうと思っていたけど、裏目に出ていたようだ。
とにかく、「膝周辺の筋肉を酷使しないよう、骨で体を支える時間をつくることが大切」だそうだ。
体重と荷物を減らす
膝は体重の3倍の負荷かかかると言われていますので、体重を1kg減らすと3kgの負担を減らせます。これはザックの荷重についても言えますので、体重や荷物を減らすのは、膝痛を予防するひとつのいい方法だと思います。
登山の経験が増えて筋肉ができるまでは、荷物を減らすのも良いかもしれない。
武尊山まとめ
上州登山の旅がスタートしたばかりだというのに、膝痛のことはすっかり忘れていた。
明日も雨予報だし、膝は痛いし、憂鬱だ。
(2017年10月2日)